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新しいコミュニケーション様式の中で

─話に耳を傾けることの大切さ─


一般社団法人 人間性復活運動本部 理事  藤居 創

 新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛を機に、この1年でウェブ会議が急速に普及した。ウェブ会議では、資料や相手の顔がパソコンやタブレットの画面上に映し出され、それを見ながら自分のマイクとスピーカの音声で話し合いを行う形態が一般的となる。ウェブ会議の特性上、相手の発話が自分の手元のスピーカから出音されるまで、0.2秒〜0.5秒程度の遅延があるため、相手が話し始めたことに気づかず自分も話し始めてしまうことがある。
 二人が同時に話し始めてしまった場合、下記の3つのいずれかのケースとなる。まずは、双方ともそれに気付き、「すみません、どうぞ」と譲り合うパターンである。しかしまれに、一方は気付いて話し始めるのを中断するが、もう一方はそれに気付かず話し続ける場合もある。そういった場合は、他の気付いた人が後で「先程話かけたのはどんな内容ですか?」と発言を促す事が多い。最も残念なのは、双方とも自分の話を継続するパターンである。
 相手が話し始めたことに気付かずに自分の話を継続する、もしくは気付いているが話を継続する人が複数人いる会議は悲惨なことになる。強引に割り込まなければ自分の発言の機会が訪れないため、発言したい人は他の人の発言の最中に自分の発言を始める。それが全体に波及し、相手の話を一切聞かない各々の主張合戦が繰り広げられる。こうなると建設的な議論は行われず、収拾がつかなくなり会議が成立しなくなる。一方で、発言を譲り合う会議は円滑に議論が進む。相手の話を聞こうという姿勢が全体に伝わり、皆の信頼関係の下で落ち着いて話し合いが進み、何かしらの結論へと達することができる。
 普段のコミュニケーションでは許容されるような少しの意見の主張が、ウェブ会議では主張の連鎖を生み、容易に会議の崩壊を招くことがある。もし、他人の話を聞かずに自分の主張を押し通そうという考えがあれば、それが色濃く映し出されてしまう。相手の雰囲気が分かりにくいウェブ会議だからこそ、いつも以上に注意深く相手の話に耳を傾けることが必要となる。常の自分が映し出されてしまうからこそ、気遣いや心配りができる自分を作り上げていくことの大切さを改めて実感する。どのような場面においても、自分の意見に固執せず、穏やかに人の話を聞くことができる人間でありたいと思う。  
以 上
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